2010-06-22

マルコム・グラッドウェルの”blink”

瞬時の判断力。直感。
深く考える前に、直感的に決断を下すことがあります。

「直感的に」などと言うと、とても冴えた印象。
だからなのか、説得力までをも醸し出します。

果たして「人の直感」とは、どれほどあてになるものなのでしょうか?

そんな疑問に答えるのが
この本。
マルコム・グラッドウェル著
第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい

著者のマルコム・グラッドウェルはイギリス生まれ、現在はニューヨークに暮らす、雑誌「ニューヨーカー」の専属ライター。


アメリカ史上最大規模、最もお金のかかった軍事演習「ミレニアムチャレンジ’02」。
それは赤チームと青チームに分かれての演習でした。
青チームはデータベースや表、方法論を用意。
対するはバン・ライパーが率いる赤チーム。
戦闘が始まると、部下に反省を求めず、長い会議もやりたがらず、説明も要求しない。
前線の部隊は自らの責任で、頭を使って前にすすまなければならない。
具体的に何をしろとは言わず、目的を示しただけ。
最新鋭の情報も、方法論もなく、ただ赤チームは、こんな戦略。

しかし、第一ラウンド。
おどろいたことに赤チームは青チームを奇襲攻撃し、概ね勝利を勝ち取った。
(青チームのために)最もお金を費やした「ミレニアムチャレンジ」。
このあとの第二ラウンドは方針を一転。
両チームすべて打ち合わせ通り(青チームが勝つよう)に演習を終えたのです。

バン・ライパーが重要視したこと。
それは、データベースではなく、人間の直感力や瞬間的な判断力でした。
部下には極端に情報を与えすぎず、判断力を最大限発揮できるように工夫していたわけです。

これだけではなく、著者の圧倒的な実験量、検証。

これらを読むだけでも非常に価値があります。
人の能力の凄まじさに驚くばかりではなく、

広告、マーケティングの観点からも、見逃せない内容の名著です。

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